青年時代に読み始め、少し読んでそのままにしていました。1ケ月前より毎朝読書として第1巻を、読了しました。第1巻は、ドイツライン河畔で生まれた、ジャン・クリストフの青年になるまでの物語。音楽家をめざし、宮廷音楽家となる。おりおりの悩み、友情、恋愛、信仰と誰にでも起こりえることがらが緻密に展開される。第1巻の終りで、恋愛に傷つき、悩んでいるとき、叔父がジャンに語るところを記載してみよう。
「日の出に対して、信心深くなければいけない。1年後のこと、10年後のことを考えてはいけない。今日のことを考えるのだよ。理屈を捨ててしまうがいい。生活に無理をしてはいけない。今日に生きるのだ。その日その日の信心深くしているのだ。その日その日を愛し、尊敬し、花を咲かせるのを邪魔しないことだ。(中略)信心深くありさえすればよい。待つのだよ。お前が善良でないなら、弱いなら、成功していないなら、それでもそのまま満足していなければならない。それに何故、それ以上を望むのか。何故できもしないことをあくせくするのだい? できることをしなければならない。 我がなし得る程度を。」
青年に、こんこんと説く叔父の説得にロマン・ロランのメッセージがありそうだ。(ロマン・ロラン1866-1944 は「ジャン・クリストフ」でノーベル文学賞を受賞した。フランス人。)(10.4.30)
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