2011年8月16日火曜日

[エッセー]韓日歴史大河ドラマ「トンイ」vs「江」楽しみ比較考

 2011年度韓日歴史大河ドラマの「トンイ」と「江」、毎週楽しませていただいています。簡単に楽しみ方を比較してみましょう、

「トンイ」(BSプレミアム毎日曜21-22時)奴婢であったトンイ(ハン・ヒョジュ)が、周囲のひきで宮廷にあがり、幾多の艱難辛苦の後、遂には王の側室となり、世継ぎを生む物語。監督は、「チャングムの誓い」「イ・サン」のイ・ビョンフン監督。「トンイ」の製作裏話をみて知ったが、脚本が女性の脚本家から毎回、週初めに到着する。キャストたちが読み合わせの後、撮影に入り、深夜から徹夜となることも。夜のシーンでは、明け方に近い深夜では?と思ったりする。

<朝鮮王朝のセット>別に作られたセットを使っているので臨場感がある。

<当時の町並み>セットでつくられており、内容により改良セットとする。

<涙、真正面に対する人と人>毎回、涙のみない回はない程、登場人物は涙を流す。人と人が向き合い、愛憎が表現される。これは韓国ドラマのすばらしい点だ。

<ストーリー>過去見た韓国歴史ドラマのいろんなエッセンスが、技巧をこらしてはまりこんでいる。例えば、漢方薬・・・組み合わせで毒にも薬にもなる・・・ひょうきんものを登場させ、見るものにほっとさせ笑わせるなど。
 
 8月14日現在、全60回の19回を終え、1/3のところにきた。はらはらさせられるとわかっても、毎回、引き込まれる。

「江」(NHKTV毎日曜20時-20:45)織田信長の妹、お市の方と浅井長政との子、3人姉妹(茶々・初・江)の江を軸として、物語が展開されている。原作・脚本は田渕久美子。
<セット>当時の城内でない雰囲気ではあるが、庭、畳の部屋、回廊と苦心のつくり。
CGで当時の城を遠景で映し、天守閣近辺に小さな鳥が飛んでいることを観る。

<涙、ストーリーとしての重視するコト>江(ごう)(上野樹里)は豊臣秀吉の命で3度、政略結婚させられる。気性の強い女性として描かれているが、運命の厳しさに時に涙する。韓国ドラマほどの涙は観ない。どちらかといえば描かれるのは歴史的コトの世界が多い。

 8月14日現在、31回済み、秀吉がなくなった。徳川の天下へどのように移行するか、゛歴史的事実はみんなが知っているところ。その中で、茶々と江と初の葛藤がみものです。

<江の関連土地紀行>韓国ドラマにはない、関連土地に親近感を覚える。

 韓日両国の歴史・民族風土より、少しづつ趣が違い、韓国はエンターティメントに仕上げ、日本はエンタメ+教育的国民的番組に仕上げようとしている。いずれにしても、週1日、楽しみを与えてくれています。関係者に感謝です。(2011年8月16日 中川 昌弘)

2011年8月6日土曜日

[本棚から]「若きウェルテルの悩み」 ゲーテ 秋山六郎兵衛訳

ゲーテ(1749-1832)ドイツの生んだ文学の巨匠。若い頃の自身の経験を踏まえての作品。

(主な登場人物)
ウェルテル ロッテに純愛をささげた青年主人公。
ロツテ 亡き母に代わり、弟や妹の面倒をみる。いいなづけのアルベルトの妻として生きるが、ウェルテルの熱情にゆれる女性。
アルベルト 慎重・堅実・実直。ウェルテルの友情をうけるが、ロッテがウェルテルに心を動かされるのをみて、心おだやかでない。

(構成)
 ウェルテルが友人にあてた書簡集として小説が構成される。

(結末)
 ウェルテルはこの世で、結実できない愛に悩み、自死を選ぶ。

 人生の中で、できれば若い頃に一度は読みたい書です。ウェルテルの心情も 一度は各人それぞれに経験したいものです。

 
 かのナポレオンも読んだようで、ナポレオンがドイツに軍を動かした際、ゲーテとあい、見た瞬間、「ウーン、人物だ」といわしめた。続いてゲーテ「ファウスト」を読んでいます。(2011.8.6 中川 昌弘)