2010年12月26日日曜日

[本棚から]モーパッサン「女の一生」ささやかな真実 斎藤 昌三訳

 高等学校の頃、その名を知っていた、モーパッサン。「女の一生」を読みました。

 1800年代のフランス、ノルマンディー地方の片田舎でのお話。
 ジャンヌの夢一杯の乙女の頃、いとしの君を想いうかべていた。
 結婚の現実は、夢が幻滅であったことを知る。
 夫の浮気。あきらめ。その後の夫の惨事。
 唯一の希望は子供ポール。ポールの成長後の、母ジャンヌからの離反。
 子を信じようとする母心。孫を得て、自らの継承を確認。
 ついに一生を終える。

 かっての女中ロザリーは、かっての夫の不倫の子を宿し、そのことをもって
 一財産と他の男を与えられ、一家をつくる。
 老後は、傷心のジャンヌの介護をする。ロザリーは語る。

 「人生ちゅうもんは、まんず、人の思うほど良くも悪るくもねぇもんだのう」
(10.12.26 中川 昌弘)

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