2011年9~10月4回シリーズで関西大学経済学部教授・准教授の方々による「アジアの経済・社会と日本」を受講しましたので次のように覚え書きとしました。聞き取り間違いもあるやもしれませんが、参考情報として下されば幸いです。
① ベトナムの縫製業の調査をされたお話として、外資企業が47%をしめ、日系企業のパートナーは品質にうるさく生産面で鍛えられているが、欧米の数でこなす品質に甘く育てられたところは、今日に至って、他産業と労働力獲得競争で困っている。縫製ビジネス100として5程度が加工費としてベトナムにおち、95は素材メーカーや流通・発注元におちる。最近は中国の動向も変化ある模様で、人件費増から、外資系は生産先として政情安定化のきざしあるミャンマー等が検討されはじめているとのこと。
② 中国の状況について ・日本各地で過疎化が進む中、上海近辺では日本人が10-15万人くらいいる ・大卒4-500万人毎年卒業するが、約100万人就職出来ず(日本の場合は毎年大卒の2-30%留年している。)GDP8%成長しないと雇用維持できず・農産戸籍から都市戸籍へ編入できない(学校等インフラ追いつかないため)低賃金労働力は農村の出稼ぎ労働にたよっているが、じりじり賃金があがっている ・土地は国家のもの、借地権のみあり(道路を簡単に造れ、多車線として都市間を結ぶことができる)・社会保障制度未整備・未冨先老 先富論の見直し(豊かにならない間に老いていく)・鉄鋼生産世界の40% ・自動車生産 世界一の1500万台/年(日本500万台弱)但し上位10社中7社まで外資系 ・2007年中国企業ベスト50社中民営・外資各1社(48社国営) ・外資系50万社(内3.5万社日本出資)
③ この20年日本の来た道 ・グローバル化は先進国の事情でおこなってきた ・お金は儲かるところへ集まってくる ・比喩的にいえば困った人を陸から助けていた時代より、国家が海となりどっぷり浸かって人を助けようとしている(国が借金を繰り返し景気浮揚しょうとしてきた。GDP2倍の国債の発行残となっている) ・アメリカ・EUにしても、日本のきた道を世界が歩み始めた ・システムを変えねばなラない時期となっている
④ アセアン+3(中国、韓国、日本)13国で東アジア経済圏を2015年までに作ろうという、中国・韓国の動きと、オーストラリア・ニュージーランドを加えていこうとする日本と意見が分かれている。TPPは日本の路線を環太平洋とするか、しないかの分かれ目と考えてよい。鳩山・小沢ラインが東アジア共同体構想で菅・野田ラインが環太平洋へむかつているのではないか。
深刻な国内事情をかかえて経済運営を迫られているアジアの中の日本、どこにいくのだろうか。答えは見えてこない。日本丸の進路にさらに波風が高くなるようだ。
(2011.10.25 中川 昌弘)
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