2009年7月27日月曜日

「中国という世界」(竹内 実著)を読みました。=中国は歓楽と文明に向かう=

 中国の人・風土・近代を叙述した本でした。人について大家族制がベース、今でもきっちり守っている家族がある。(先祖崇拝は、日本:せいぜい2-3世代だが、中国:始祖からまつる) 国土は高低差6000メートル、3つ文化ブロック、北方・南方・西方 にわかれる。近代では 上海の戦前戦後の推移をとりあげている。結語の中国はどこにゆくについて2つの方向を示唆しています。

①大分、古いが後藤朝太郎が各地を旅して「歓楽の支那」を大正14年にまとめた中に「チュウゴクの社会は礼学を尊び、歓楽気分で統一でき、また妥協も成立している。」また別の講演会で「チュウゴクと戦争するのは間違っている。すれば負ける」と特高警察を気にしていったとのこと。

 この歓楽とは、「人生を楽しむこと」といっていいと思います。正月になると赤い紙にめでたい言葉をつらねて各戸に2枚、張っています。また、食べることを楽しみ、どの国の人も思いつかない北京ダックも考案しました。NHK中国語ラジオ会話では郭春貴先生は、「毎日楽しく中国語会話を勉強しましょう」といつも、笑顔で!と言っておられます。賄賂がはびこるのも、楽しく生きるにはお金がいるということなのでしょう。
人生は楽しむこと、と表立って言わなくともベースが楽しむことに向かっています。

②竹内実さんはもう一つ中国は「文明に向かう」といっておられます。北京オリンピックで市民に配布された資料に(1)マナーに文明的行動を(2)環境に文明的であれ(3)秩序に文明的であれ(4)競技場で文明的行動を(5)サービスは文明的行動を とあったとのことからの発想のようです。

 日本の「文明」の意味と中国の「文明」の意味が異なると思いますので、中国での意味で理解せねばなりません。中国人に求められることが「文明」という言葉に集約されていると思います。

 竹内実著「中国という世界」(岩波新書)は、チュウゴクを平たく理解する意味で、よい本と思いました。(WELL BE)

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