時は徳川三代将軍家光が亡くなり、四代家綱となつたばかりのころ、所は九州黒川藩、人々は1592,97年の文禄・慶長の役で朝鮮からの陶工たち、葬送される人、渡来人の子孫の辛島十兵衛。龍釜と名づけられた登り窯に働く渡来陶工の人々は約700名となっていた。よい陶磁器をつくるには土と、ワザがいる。当時、中国の技術も入っており、赤絵といわれる塗り物は日本人が担当していた。ベースは朝鮮からの渡来人の焼き物である。
焼き物は黒川藩の財政にとっても貴重なもので、外国にも輸出されていました。
村田喜代子さん(1945-福岡県八幡生まれ、「鍋の中」で芥川賞をとる‘99年「龍秘御天歌」で芸術選奨文部大臣賞受賞)は、龍釜の主催者、辛島十兵衛の葬送を日本風の火葬でなく朝鮮風に寝棺で埋葬しょうとして画策する妻百婆の奮闘を、ユーモラスな筆致で描いています。結末にむけて、推理小説風に読者を誘い込んでいきます。
朝鮮と日本の違い「朝鮮:崇拝すべきもの、先祖(は絶対)、長幼の順序、哀号・・・・と哭する、・・・・」をしらしめ、民族の悲痛を浮かび上がらせている。続編というべき百婆が亡くなって、子孫たちの結婚話を語る「百年佳約」も引き続き読みました。次回に、ご紹介しましょう。(WELL BE)
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