<ものがたり>「九州新幹線の一番列車がすれ違う時、願いをかければ、願いが叶う」そんな話を、母(大塚寧々)の里、鹿児島に引っ越してきた小学6年生の兄(“まえだまえだ”の前田航基)と福岡に父(オダギリジョー)と住む小学4年生の弟(“まえだまえだ”の前田旺志郎)がきく。別居を強いられる兄弟は九州の南北に分かれて、互いの父と母をきずかっている。一緒に住むのが「奇跡」と感じる兄弟は、それぞれ友達を誘って、九州新幹線の一番列車が交差する熊本にむかおうとする。子供たちの「旅」という未知の冒険で、話しはクライマックスに向かって進んでいく。感動の物語を紡ぐ。
<感想>大人の誰でも、各々の幼い頃、学校の先生から「大きくなったら何になる?」と問われたことと思う。この映画を観て、小生も、小四とき「ゴム会社の社長になる」(その頃、自主勉強でゴム会社を調べていた)小六の時は「電気会社の社長になる」何故かと先生に問われ、「戦死した父が電気会社に勤めていました」と言ったことを思い出して、映画の子供たちと一緒に心の中で叫んでいました。「奇跡」とは何か?観る人によって、それぞれの「奇跡」があるのかも知れない。この映画で得た、熱い思いは、忘れたくない。秀作だと思った。
是枝監督はこどもに台本を渡さず、要点を示し自由に演じさせたとのことだ。「まえだまえだ」とその取り巻く子供たちの演技は自然だった。助演者陣に樹木希林・橋爪功・原田芳雄が存在感を示し、夏川結衣・阿部寛・長澤まさみが控えめに支える。スゴイ。妻と梅田ステーションシネマに観にいった。
「奇跡」観る 少年の頃 思う梅雨
(☆☆☆☆☆2011年6月15日 中川 昌弘)
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