2008年10月31日金曜日

2つの国際化の講座で考えること

 10.25関西大学吹田市民大学「国際化を再考する」-日本の国際化をめぐる問題群-政策創造学部教授安田信之氏、10.29渋沢栄一記念財団寄附講座「日中関係と東アジア」-世界史の中の東アジア-ハーバード大学名誉教授 歴史学者の入江 昭氏の2つの講座を聞いて、考えを深め、新たとしました。

 前者の要旨は、国家と個人の関係より、地方政府・中央政府・地球統治体と個人の関係に移行とつつある、あるいは、移行すべきである、ということであった。背景に国際化から地球化にかわりつつある現状の認識にある。日本に在住する外国人の比率は208万人で約2%に近い。個人、NGO、企業が地球的にむすびつきつつある。等々である。

 後者は、世界の歴史をここ130年ほどを2つにわけることができ、1870-1960年代 主要国が確立され、欧米(日)が植民地支配による帝国主義の時代であった。世界の1/4の人々が3/4の人々を支配する時代であった。1970年代より現在までは、多くの植民地が独立し100以上の新興国がおこった。BRICSの興隆、アラブ産油国の隆昌があり、1960年代までは米欧(日)が優位であったのが、そうではなくなってきた。欧州は仏独が過去3度戦争したが、協調し、EUとしてまとまり、東アジアでも中国・韓国・日本が共同体的にまとまる可能性があるとのことであった。

 中国とは、2000年の歴史を通じて、長く教えられ、近代の一時期、教えることもあった。現在は日用品の輸入元として密接な関係となっている。韓国には、1500年の歴史で、漢字・仏教・技術を教えられ、力をつけては侵略すること2回、完全に和解には至っていないが、韓流のドラマを通じて、文化的にはつながりつつある。漢字を共通のベースとして、米をたべる3つの国は、つながっており、文化交流、歴史研究、環境保全・・・、そして実質的な経済で結びつけりばよいと思います。

 世界金融危機という外圧を契機として、互恵平等の立場でつながりの一歩が踏み出せばよいと考えました。まずは、小さな小さな動きとして、中国、韓国のことをよく知ろうと思いました。(WELL BE)

2008年10月25日土曜日

"世界金融危機のいま"・・・関西大学吹田市民大学講座(世界経済と日本)を受講して学んだこと

 9月28日より10月24日まで毎金曜日5回の(世界経済と日本)を受講しました。

 ブラジル、アメリカ、NIESから中国、スペイン、世界マネーフローの中より関心のあるアメリカの金融異変に的を絞って、講座を聞いてみました。知識のなさゆえに確定的なことはわかりませんが、いわゆる"なんとなく"次のようにわかったつもりになっています。

①アメリカのレーガン政権以来の自由開放的な規制緩和路線に、金融破綻の源流がある。
②アメリカは、サブプライムローン等金融工学的な証券等に代表される"ペーパー"を世界に販売して、ドルを集め、資金の要求元の開発途上国にアメリカからドルが流出し、世界の景気を支え、いわば資金の"ポンプ"役を果たしていたが、リーマンブラザースの破綻に端を発して、お金の流れに変調をきたしてきた。
③アメリカの人々は、住宅を担保として、その7-80%の与信限度内でカード等、国民一人当たり一日7ドル程度消費し、商品を買ってきた。
④サブプライムローンは低所得者の住宅ローンを基にしたものでなく、その購入者は投資を含めて2軒目を購入している人も結構いるらしい。仮に1,000万円の住宅ローンのある人の債権を100等分すれば、1人10万円、みんなで薄めて証券化して安全にしょうという当初の狙いがあった。ところが複雑に多くの債権分割をまとめた証券にすると、説明書数十ページとなり、ろくろく中身を理解せず、世界の金融機関に流通がされていた。日本の金融機関もかっていたようである。
⑤リーマンブラザースが破綻したきっかけは、S&B、ムディーズ、ピッツ等格付け会社が、急に格付けを変えたことで破綻した由である。格付け会社の眼がにぶっていたといえる。
⑥日本は国債約30兆円毎年発行して、国内借金を国民が負担して税収約50兆円とあわせ約80兆円の国家予算となっているが、アメリカは不足分を世界から借金して国をまわし世界から商品を買って生活している。日本はアメリカの輸入で国内をうるわしている。中国もアメリカに商品を売って国力を富ましてきた。
⑦アメリカの金融機関が疑心暗鬼となって企業に貸し渋りをすることにより、アメリカ企業の業績がわるくなれば、日本に跳ね返り、アメリカ企業が商品の購入を減らし、日本の企業の輸出が減り、日本の景気に悪い影響を与える。
⑧一方、ドル、ユーロの価値が下がれば円が上がり、あわせて輸出不利となる。直近で1ドル90円強となっている。
⑨講師の先生は、今、株を持っている人は、売ってはいけません。但し、私は責任持ちません。とのことでした。 
⑩ここ数日、世界の資金は日本に集まっているとのことでした。

 また、朝日新聞によると、アメリカの世界に流出する投資資金はしぼみ、自国内の損失補てんに戻っている由です。

 昨日作った駄句 "日は沈む 沈んだ日なら また上がる"

 現役時代の1995-1997年景気ウォッチャーの仕事でした。その頃の 円 最高値 1ドル 78円でした。未来は予期できません。この時代にふさわしい産業、商品が出てくるものと思います。上記まとめは参考程度とされ、読者の責任でご判断をお願いします。(WELL BE)

2008年10月20日月曜日

映画「敵こそ我が友」を観ました

 十三第七芸術劇場で「敵こそ我が友」を観ました。拙宅に新聞折込のチラシもかって入った、配給サイドの熱のこもるPRでした。

 実在のナチスの軍人で、フランスリヨンで、多くのユダヤ人を検挙してアウシュビッツに送り、戦後は、アメリカに対ソ連対策に利用され、むしろエキスパートとして売り込み、その後ボリビアに行き、チェ・ゲバラの暗殺を指揮、同国でナチズムの再興を計画し、最後はフランス法廷で終身刑を宣告され1991年死去した。映画は、ドキュメンタリーとして、当時の実写フィルムをベースに様々な人の取材で構成されている。名はバルビーといい、南米ではアルトマンと名乗っていた。
 徹底的に自己をナチス精神で鍛えると、死ぬまでその精神はついえない。冷酷な拷問も、目的のためなら何とも感じない。追い詰められて「あなたは(若い頃の写真を示して)この人物を知っているか?」と聞かれても「知りません。」と顔色一つ変えずに答えていた。

 国家は闇の部分で、この人物をしたたかに生かし、利用したといえる。ドイツ、アメリカ、ボリビアと。現代でもどこかに、このような人がいるのかも知れない。一人の鉄の男の人生とみれば、不動の精神に驚きを禁じえない、。十三第七芸術家劇場で10月末まで延長して上映されている。(WELL BE)

2008年10月2日木曜日

「教養とは」の講演会を聞いて

 10月1日吹田市メイシアターで大阪大学学長鷲田 清一氏の「教養とは」の講演を聞きました。現代人は1か0かと結論を急ぎすぎる。この反対のじっくりと考えることの出来る人が「教養がある」ということだった。鷲田氏によると明治時代以降、子供は病院で生み、子供は学校に行かせ、身近な食べ物は、作り付けのものを買い、終りには、病院でお世話になり、家族や地域が触れ合う機会さのものが少なくなってきている。そのことにより、他人に何でも考えてもらうことになっており、変でもなくまったく正しいという理屈が成り立ってきている。自分を安全な攻撃を受けない立場におき、他を非難するクレーマーもめだってきている。

 それでいいのだろうか?自分の頭で考える習慣をもつ必要がある。先の衆議院選挙では改革か改革でないか、郵政民営化かそうでないか、2者択一で国民は自民党を選んだ。ニュースキャスターの意見をイメージとしてとらえ、次の総選挙では、民社党? と、自分の頭で考えず、イメージで判断しょうとしているのではないだろうか。その状況をあたかも劇場にいて拍手喝采するかのように。

 自分の頭で考える力が「教養」だと鷲田氏はおっしゃっている。

 新聞TVの内容やキャスターの言葉から、余分なものを捨てさって真実を探り出す力が求められる。静かな環境で考え、ものを書いて考える習慣や議論すること等が必要なことしょう。近頃、納得の行く講演でした。(WELL BE)