少し、ギリシァ神話を勉強しました。3回にわけて記します。
アポロン(英名アポロ)は大神ゼウスとレトの間にエーゲ海にうかぶ3km2のディロス島に生まれた双子の1人、芸術・予言・弓術・医療・牧畜・哲学の神様です。
昔、昔のギリシァでは毎日、陽があがるころから陽が沈むまで太陽をアポロンがヘイバイトスの造った4輪馬車を駆動して引っ張っていると考えられていました。(双子のもう1人はアルテミス[英名ダイアナ]月を馬車で駆動していると考えられていました・狩猟の女神)アポロンはニュンペーのクリエメネーとの間にバエトーンという子がいました。バエトーンはアポロンの子ではないと人々にいわれたので、真偽を父アポロンに聞いた。「本当にわたしの子だ」とアポロン。「本当なら何でも聞いてくれますか?」とバエトーン。「それでは、太陽の運行の4輪馬車を貸してほしい」とバエトーン。その危険性故にアポロンは断りましたが、どうしても、バエトーンがいうことを聞かないので、あまりのひつこさに、しぶしぶアポロンは了解せざるをえませんでした。
ある日、4輪馬車のたずなを息子にゆだねました。喜んだバエトーンですが、馬車の制御が出来ず、蛇行、大地は、炎と化しました。大神ゼウスはやむなく、自身の得手の雷電をバエトーンに投げつけました。バエトーンは馬車から放り出され、炎の中に死んでいきました。バエトーンの妹のへーリアスたちは、兄の運命を悲しんで、河岸のポプラの木になりました。彼女らの涙は琥珀の球になりました。
アプロディテ(英名ビーナス)はクロノスから生まれ、西風に吹かれてキプロス島に流れ着きました。アプロディテの子エロス(英語名キューピット)は相手に黄金の矢を射ると、恋こがれるようになり、鉛の矢を射ると、きらいにする力を持っていました。エロスはアポロンに黄金の矢を、ダプネに鉛の矢を射ました。アポロンはダプネに恋こがれるのでした。ダプネは逃げ切れず、月桂樹になってしまいました。アポロンは悲しみ、ダプネのことを思って月桂樹を冠としました。現在でも、スポーツの勝者に月桂冠があたえられているのはその名残です。
アポロンはヒィアキントスという少年を愛しました。二人で円盤投げの遊びをしていたら、アポロンの投げた円盤がヒィアキントスの頭に当たってしまいました。そこから鮮血しヒィアキントスは死にましたが、倒れたところから真っ赤な花が咲きました。その花をヒァシンスというようになりましたとさ。
アポロンは芸術の神として、世界のオペラの殿堂ミラノ・スカラ座の建物上部に4輪馬車の駆動姿が浮き彫りとなって今も勇姿を人々に魅せています。
(参考図書 阿刀田 高「私のギリシャ神話」、トマス・ブルフィンチ 大久保博 訳「ギリシャ神話」上下)(2012.2.11 中川 昌弘)
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