2012年3月31日土曜日

[Let‘s Watch Movies]イ・ヒョンスン監督「青い塩」2011年韓国映画

イ・ヒョンスン監督「青い塩」(2011年韓国映画)を梅田ブルグで観ました。
実に爽快感溢れるスカッとしたまるでフランス映画をみたようなそんな映画でした。

 元ヤクザの幹部ドゥホンと カレの監視を命ぜられた若い娘、セビンを結ぶのが、「料理」。
2人は料理を港町プサンで習っている。

 ヤクザの抗争はソウルにとぶ。友人の死をドゥホンのしわざと思い込んだセビンはドゥホンの暗殺をかってでる。2人はソウルの高層ビルで向き合う。

 愛・サランは赤もあれば紫もある。青もある。とドゥホンは部下に語る。

 人生の大事な3つのキーワード①富②塩とそしてもう一つ。

 この映画の題名「青い」と「塩」が料理の味付け、プサンの塩田少しづつ現れてくる。観客は3つのキーワードや題名に隠れた意味を追いながら、プサンとソウルの夜景を楽しむことが出来る。ことし2月ソウルを訪れていたのでなお更、ソウルのビル街に親しみが湧いた。

 結論は見て確認して欲しい。

 韓国の人は芸術の表出に長けているようだ。青い海、直裁でない愛の表現は人情の近さを感ぜられて美しい。(☆☆☆☆)(2012.3.31中川 昌弘)

2012年3月22日木曜日

[本棚から]三浦しをん著「舟を編む」

辞書編纂の気の長いが営々と努力を重ねている主人公たちの物語。単語用例カードを、都度ピックアップして、一旦、出来上がっても改定にそなえる人々。薄暗い辞書編纂部に10数年の時が流れ、「大渡海」が編纂されていく。その人々に「恋」が紡がれ「普通の生活」が丹念に描かれる。

 ちなみに、主人公の名前は馬締(まじめ)光也、恋人となる人の名前は林 香具矢(かぐや)なにか作者の思いいれと遊びが感ぜられる。

 小気味よい読後感が残る。どこか主人公たちに親近感がもて、主人公たちが、身近にいる感じがする。2011年 光文社刊 ☆☆☆☆[2012.3.22中川 昌弘]

2012年3月21日水曜日

[Let‘s Watch Movies]メリル・ストリープ主演「マーガレット・サッチャー」

「マーガレット・サッチャー」(鉄の女の涙)監督: フィリダ・ロイド メリル・ストリープがサッチャーさんの中年、老年を演じアカデミー主演女優賞を獲得。

 食料品店の娘に生まれた、マーガレット・サッチャーさんはオクスフォード大学を卒業し、よき伴侶を得て、首相に成り上がる。

 フォークランド゛紛争では、決然と戦いを指示し、英軍艦が沈められ300余の人々がなくなったところでは、観るものがサッチャーさんと一体化して、悲しみをこらえる自分を発見して驚くほど入魂の演技。

 イギリス議会の与野党の論戦に2党による民主主義の真髄を見る思い。通貨もユーロー一本化に反対し、ポンドを残したのは、現時点で見るとサッチャーさんの慧眼による。日本にもそろそろ女性首相の登場がまたれるように思える。男女を問わず「鉄の人」が求められていることを痛感する。

 10年、首相の座にあり、引退し、現在は精魂使いすぎたのだろう、レーガンさんも然りであった。認知症しなっておられる。人間として、尊敬できる。そのこわもてのさまをメリル・ストリープが好演。東宝シネマコンプレックス他で上演中。2011年イギリス映画(☆☆☆☆1/2)

2012年3月14日水曜日

[Let‘s Watch Movies]アラン・レネ監督作品「風にそよぐ草」

第62回カンヌ国際映画審査員特別賞受賞、出演 サビーネ・アガマ アンドレ・デェンリエ他。89歳のアラン・レネ監督作品 フランス映画。

 人は幾つになっても恋をするのでしょうか?熟年の紳士淑女の恋物語です。
女性歯科医が、ある日はハンドバックをひったくられた。中にあって捨てられた財布をある悠々自適な男性が拾う。女性の写真が入っていた。警察に届ける。ここに男性の妄想が始まる。女性のことが気になってしかたがない。ストーカーまがいに連絡を試みる。これが映画の導入部です。

 男性には良妻と子供・孫もいる、よい家庭がある。女性には仕事がある。この整然とした秩序がだんだんと恋に発展してしまう、男性の妄想像がマンがの噴出しのように登場し、おもしろくアラン・レネ監督はひきこんでくれます。

 両者の共通点は飛行機狂という趣味の世界。いつしか、追うものが、追われるものに変わっていく。89歳にして、恋を描くって、フランスでは普通のことなのて゜しょう。シネリーブル梅田で公開中。(☆☆☆☆ 2012.3.14 中川 昌弘)