2012年3月22日木曜日

[本棚から]三浦しをん著「舟を編む」

辞書編纂の気の長いが営々と努力を重ねている主人公たちの物語。単語用例カードを、都度ピックアップして、一旦、出来上がっても改定にそなえる人々。薄暗い辞書編纂部に10数年の時が流れ、「大渡海」が編纂されていく。その人々に「恋」が紡がれ「普通の生活」が丹念に描かれる。

 ちなみに、主人公の名前は馬締(まじめ)光也、恋人となる人の名前は林 香具矢(かぐや)なにか作者の思いいれと遊びが感ぜられる。

 小気味よい読後感が残る。どこか主人公たちに親近感がもて、主人公たちが、身近にいる感じがする。2011年 光文社刊 ☆☆☆☆[2012.3.22中川 昌弘]

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