2008年4月4日金曜日

[小説] 博士の愛している宇宙(3/3)-地球に人類の登場-

W B 900-1000万年前、アフリカで霊長類がゴリラと猿人に別れ始めたと新聞にでていました。

博士 そういう説が最近いわれているのは確かだね。木から地上へおり2足歩行を始めた。2本の手が歩行から解放されて、自由となり脳が発達していく。4-500万年前には、原人として、体は毛で覆われていたがアフリカ大陸の東部に大地溝帯があり、一説によるとそこにできた湖になじんでいた一族から毛がなくなっていって人の原形が誕生したともいう説がある。結局、食糧を求めてアフリカから世界へ拡散していく。何種もの旧人が生まれるが、淘汰されていって、20-40万年前ぐらい前の新人を祖先として現在の人類が生まれたと考えられるのだよ。人類の化石がアフリカから沢山発見されており、アフリカ生まれという説は動かない。

W B 137億年前の宇宙のビッグバンから太陽系の元の星の誕生とその消滅の過程から、46億年前に超新星として太陽が生まれました。同時に惑星として地球が誕生し、ずっと時代が下って4億年前に大気中に21%の酸素が充たされました。7-8000万年前に哺乳類が生まれ、その哺乳類の一つの人類の原形が1000万年前に猿から分離し始め、ごくごく数十万年前に新人類が出現し、紀元前3000年~紀元前後にかけて、エジプト・ギリシャ・ローマ・メソポタミヤ・インド・中国の古代文明が栄え、ここ200年ほど前に近代文明をおこし、宇宙の原理を解明している現代が、必然にやってきたと思えば、すっきりしますね。

博士 宇宙がビッグバンの後、気の遠くなるような137億年を経て、地球に人間がいることは、はじめに言ったように、偶然ではないのだと思っている。不可思議なことだよ。物理の方程式が一つ違っていても生命は生まれていない。また、年代のとらえ方だが、文明が生まれて約5000年だよね。地球が生まれて4捨5入すれば50億年だよね。100万年を1年とカウントすれば5000年だよね。何千万年~億年前を100万年単位で何年?とカウントすれば理解しやすいよ。

W B 100万年かあ、それも気の遠くなるような単位ですね。わかりました。結局、宇宙創造主が自己の観察のために太陽と地球と人間をつくったのだと思うほうがハッピーですね。


博士 およそ20年前、欧米の科学者の一部は宇宙創造主説を神の問題としていっており、日本ではニュアンスは違うが、元神奈川大学の学長の桜井邦朋さん(1933~)がこの説を推進している。私は、桜井さんに同感してこの説を信じているのだよ。わしは、それが正しいと思っている。銀河系宇宙は2000億個の星がある。その一つに太陽があり、その惑星に地球があり、人が住み、科学を発達させて宇宙のことがわかるようになってきた。銀河系以外にアンドロメダ星雲他3000億個の島宇宙があることが想定されている。これからいろんなことがわかってこよう。よく晴れた日の夜空を見上げれば、過去に光を放った銀河系の星を見ていることになる。銀河系以外の星雲や星団は高性能天体望遠鏡、ハッブル宇宙望遠鏡や電波・X線等特殊望遠鏡でしか発見できない。勿論目には見ることができないが、しだいに明らかになる宇宙を思い描くことは、果てしないロマンがあり素晴らしいことだと思う。

W B 今日はよい勉強をさせていただきました。

WELL BE君は、宇宙には意思があるという説に共鳴し、「宇宙」をこよなく愛しているお茶の湯博士のことを、うれしく思って、那庭大学を後にした。  (終)

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