12月3日関大、渋沢栄一寄附講座で神戸大学王柯先生の「歴史の和解・民族思想の超越」講座を受講しました。次の通りでした。
○民族について
1 「民族」とは 日本製漢語 族が矢という字を含み潜在的に戦闘性がある。明治時代の国粋主義者が考案したのを、日清・日露戦争で勝利した日本に中国の当時の最高級の識者が来日して日本知識人(主に国粋主義者多い)と筆談をもって交流してこの語を中国に広めた。
2 その一人、魯迅は「藤野先生」で謙虚・勤勉の日本人を知る一方、日露戦争で勝利した、日本学生の戦場での残虐性を指摘している。
3 孫文は東京で夫妻の写真を撮っている。民族を当時支配していた、満州族から漢族の国にすべきと「民族意識」を高揚し、辛亥革命で「中華民国」を樹立した。樹立後は、歴史的、地理的要因で満州族を除外しなかった。モンゴル・チベットはいずれ回復するとの路線をひいた。
4 その後の日本の中国侵略で初めて「異族」を認識した。中華民族という概念が出てきた。
5 戦争時代、競って「百人切り」とかの言葉が新聞にみられた。中国人がもしそんなことをしていたら、日本人はそのことを知ってどう思うだろうか?やはりむごいことが国民の意識としてあった。。
○北京オリンピック後のある対日意識と中国の反省
1 2008.9.17 杭州 日本女性サッカーがドイツと対戦、中国の観客はドイツを盛大に応援した。
2 屈辱感を味わったその戦いの後、日本女性サッカーチームは 謝謝 中国の 横幕を用意し、中国観客に礼を表明した。
3 このことで、中国の人は自分達の 不明 恥を知った。
・・・9.18が満州事変の起こった日であることに原因しているようです。
(中川私感)
1 中国の人々に抜き差しならない戦争に起因する反日感情がある。
2 王柯先生には、日本に侵略された被害者意識がみられた。
3 我々は、中国人に接する時、潜在観念の中で「日本人は残酷、侵略性がある」と思っていると考えた方がよい?と思います。
4 我々日本人には他に向かう、残虐性があるのだろうか?・・・韓国の金先生のいわれるように、四界、海に閉ざされているために知らず知らず内向き指向となり、逆切れが外に向かうと残虐性になるかも。日頃からホンネレベルで自己の表出が必要なようです。
◎結論 日本と中国は、「民族」と「国家」の枠をはずして、交流すべきである。その心は「友好」。
○台湾のこと 質問で台湾学生から、本土との民族意識について王柯先生に質問がありました。「台湾と原住民を除けば同じ(漢)民族、政治家ではないので、発言に責任がありませんが、50年後統一されているでしょう」と。・・・すっと50年という言葉が出た。日本の総理にしても一般人にしても、すっと50年後という言葉がでるだろうか?と思いました。時間をかけて解決する問題が日本にないのと、思考形態が短期的ではないでしょうか。
王柯先生のまじめな、どこまでも日本に一部の警戒するような眼があることを感じ取ったのは、いきすぎた見方でしょうか?漢奸(日本びいきの漢人として本国人から白い眼を向けられる)にならないようにと注意されているようです。検討中の「日中の歴史とりまとめ」の10人の中国人学者の8人までをご存知とのことです。(WELL BE)
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