チェコのイジー・メルツェル監督の映画「英国王給仕人に乾杯」を観ました。
ある給仕人の若い頃から、年老いるまでのおりおりの就職したホテルの様々な客の動向を見せながら、第二次世界大戦でドイツに占領され、戦後の労働党の支配まで飽きさせず描いていきます。
ある給仕人は年老いて引退した状態と、若いときから壮年までを2人の俳優が演じる。
タイトルの英国王給仕人とは、気骨のある人で、主人公の上司にあたる。ナチスに支配されても、その気骨は揺るがず、ドイツ語には聞こえぬフリをする。イジー監督は、主役ではない英国王給仕人を誇りとしているのがわかる。主役の給仕人は時流に右顧左眄する。多くの人々の代表として。
チェコは1993年チェコスロバキアから分離された。これらのボヘミア地方には複数の人種が住んでいる。戦争前、チェコスロバキアにはドイツ人も住んでいた。映画を観て始めて知った。
映画を観ていて、ラストらしいシーンでは「オワって欲しくない!」と思った始めての映画でした。
イジー・メルツェン監督のことは、公開講座フェスタ2008で「映画における人生の時間~その縮小と拡大~」として羽衣国際大学安東教授から「老優の一瞬」(人生は10分以上は長くない、老優の若い頃と現在を対比して10分で描かれていた。)の紹介を受けて非凡な才能に感心していました。妻の主張する映画は監督で見るべしということも満更誤っていなかった。(WELL BE)
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