千里中央セルシーシアターで話題となっていた李纓(リー・イン)監督の「靖国」を観ました。感想を記します。
(内容)
靖国神社の現在を通じて、李監督の思いをバックに靖国の刀鍛冶の鍛冶風景を縦糸として、さまざまなエピソード(小泉元総理の参拝、台湾人の合祀反対、参拝賛成派、反対派・・・)をからめ、歴史エピソードの映像(昭和天皇の参拝・軍人の参拝・百人ぎり・空襲・原爆投下・・・)を交えて靖国神社とは何かを問いかけているドキュメンタリー映画。台湾の女性がいっていたことが気になります。「靖国神社の鳥居の木は台湾の木を切って持ってきた。台湾人を戦争に呼び込み、台湾人で戦死した人の魂を異国の地の靖国に断りなく祀るのは、納得行かない。合祀からはずして返して欲しい。もし、日本人がそのような仕打ちを受けて、台湾で祀られれば、どう思いますか」と靖国神社の担当者に切り込んでいました。
(感想)
・日本人では靖国の映画化は構想できなかった。(太平洋戦争を総括せず、あいまいに現在まで来ているため)中国人につきつけられたところに意義があると思います。
・朝鮮併合・日清戦争・日露戦争・満州国設立・中国戦争・真珠湾奇襲と対米英戦争開始・アジア戦線拡大・特攻隊・戦艦大和の特攻作戦・原爆を受けるに至ったことその他様々な結果を生んだ行為の原因の分析と真摯な反省とその総括が必要と思います。そしてそれらの反省に立って、靖国神社の位置づけもしっかりと再構築し国民の納得の行く場所にせねばならないと思います。(反省をあいまいにすると行為を美化する論理が出てきます)
(目で見てわかる国民レベルで共有するようなニュートラルな考えに立つ先の大戦を反省する恒久的施設の設立が必要でしょうし、そのような計画があるとも聞いたことがあります。)
・多くの日本人に見てほしい映画です。
幼い頃、母の背でB29の焼夷弾を避けてにげまどったこと。どこそこが玉砕するといった大人の話を聞いたこと。父が戦死したこと。戦争だけはこりごりだと思い続けています。(WELL BE)
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